マンションやアパートなどの集合住宅には、「共用部分」と呼ばれる場所があります。
これから新しく賃貸物件を借りようと検討している方のなかには、耳慣れない単語に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、お部屋探しをしている方に向けて、賃貸物件の共用部分とは何か、具体的にどこが共用部分にあたるのかについてご紹介します。
賃貸物件の共用部分とは？
「共用部分」とは、ビルや分譲マンションなどのいわゆる区分所有建物で、居住人や賃借人が共同で使用する部分のことです。
具体的には、次のような部分が共用部分にあたります。
●管理人事務室や集会室など、管理規約で定められている場所
●壁や支柱、基礎、屋根などの基本的な構造部分、共用の配管や配線
●廊下や階段室、エントランスなど構造上共用とされる部分
●住戸の窓ガラスや玄関扉、バルコニー、専用庭
共用部分は、区分所有法などの法律によって定められる法定共有部分と、管理規約によって定められる規約共用部分に大別することが可能です。
法律によって設置が義務付けられている各配管や廊下、階段、エレベーターなどは、法定共有部分にあたります。
一方で、管理人事務室や集会室など、本来は専有部分として使用できるものの、規約によって設けられている施設は規約共用部分にあたります。
玄関は共用部分？賃貸物件の玄関の使い方
共用部分に対して、個人で使用する室内を「専有部分」と言います。
共用部分と専有部分で間違いやすい場所として、玄関ドアがあります。
部屋の室内にあたる玄関ドアの内側は専有部分ですが、外部の廊下に面したドアの外側は共用部分です。
そのため、原則として玄関ドアの外側は勝手にリフォームや修繕をおこなえません。
また、賃貸物件によっては玄関ポーチがついていることもありますが、これも共用部分にあたります。
賃貸物件によっては、玄関ポーチの使い方や置けるものが限られてくるため、入居前に管理規約を確認することが重要です。
賃貸物件の意外な共用部分！ベランダの正しい使い方
賃貸物件のベランダやバルコニーは、専有部分ではなく共用部分にあたります。
ベランダやバルコニーは、火災などの災害時に脱出経路や避難経路として使われるためです。
避難梯子や脱出口が設置されていたり、隣室との境界に蹴破ることのできる壁が使用されていたりします。
そのため、普段はある程度自由に使えますが、物置のように使ったり、非常時に邪魔になるようなものを設置したりはできません。
また、複数の家庭が暮らす集合住宅では、普段の使用方法についても注意が必要です。
喫煙など、においや煙が発生するものはトラブルになりやすいため、利用に関しては規約の確認や周囲への配慮が必要となるでしょう。
防災の面から花火は基本的に禁止されていることが多く、水はねや排水の問題が生じやすい簡易プールの使用にも注意が必要です。
まとめ
今回は、お部屋探しをしている方に向けて、賃貸物件の共用部分とは何か、具体的にどこが共用部分にあたるのかについてご紹介しました。
住戸にそれぞれ設置されているベランダや玄関は専有部分と勘違いしやすいですが、実際には使用に注意が必要な共用部分にあたります。
利用する際には、規約の確認や周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
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